暑い夏、梅雨明け宣言はまだですが、東京は連日の30℃を超える日が続いています。
週末の雨が待ち遠しいです。
先日、お腹が痛いと訴えるケースに出会いましたので、記録として残しておきます。(個人的体験を含みますので、ご了承ください)
夏の腹痛は冷たいものの飲みすぎ?
「アイスは一日、1個まで」と子どもの頃に言われた記憶はありませんか。
冷たい飲みものを飲みすぎたり、アイスを食べ過ぎたりするとお腹を下してしまう…
そして、食欲がなくなってしまい、夏バテに陥ってしまう。
暑い夏は数日でも1~2カ月のスパンで見ても、このような状況が起こりやすい季節です。

冷やしたところは温めるのが基本、
胃のあたりもしくは胃の裏(背中)に手をあてて、数分そのままにしておくことで胃の重たさが消失することもあります。もちろん、冷たい飲みものを控えることも重要です。
それでも冷たいもので喉を潤したいときは、コップ一杯の常温の水に氷を1個だけ入れた程度にしておくとよいでしょう。
胃の反応点を刺激しても痛みが続くときに考えること
冷たい飲みものを飲んで胃が痛くなった…
そう思ってしばらく手をあてていても、変わらず痛みは続いている。
そして、その状況が2時間以上続いている場合には、飲みものによる胃腸の冷え以外に原因があると考えるのが賢明です。

不調を感じる前に食べたものを思い出してみましょう。
もし、刺身などの生ものを食べたのであれば、アニサキスによる食中毒の可能性があります。
症状としては、胃の痛み、膨満感、吐き気が挙げられます。
吐き気はなくても胃が痛い、お腹が張る感じがするなど症状の表れ方には個人差があります。
生ものを食べた心当たりがある場合には、医療機関の受診をお勧めします。
胃カメラで検査を行い、内視鏡を使ってアニサキスを取り出すことで原因の除去ができるため、手っ取り早い解決方法です。
西洋医学の進歩はこのような急性症状の場合に顕著に役立ちます。
何もしなくても24時間程度でアニサキスは死滅しますが、それまではかなりの痛みが続きます。
夜中に胃の痛みがあるときに起きたこと
Aさん(女性)の事例を紹介します。
昼過ぎに生のホタテを食べて、その30分後位してから胃の痛みを訴え始めました。
そのことを忘れていて、最初は暑いから水をたくさん飲み始めたせいだと思っていました。
しかし、夕方になっても胃の痛みは治まりません。
夜になり寝る時間になってもまだ辛いため、胃の裏に手をあててしばらくの間、温めていました。
背骨の両側の筋肉(脊柱起立筋)は左側が強く緊張しています。
冷えによる胃の痛みを訴える場合には、東洋医学ではお腹にある中脘(ちゅうかん)というツボを刺激します。
しかし、おなかに触れると張った感じがあるから「押さないでほしい」と言います。

15分ほど背中に手を当てていましたが、痛みは続いたまま…。
横になってうずくまっています。
もしかして、と昼過ぎに食べた刺身のことを思い出しました。
アニサキスで検索すると、たしかに書いてある状況に一致します。おもな症状は胃の痛みと膨満感です。(吐き気はありませんでした)
夜も10時を過ぎているので、明日になったら病院へ行こう…と思いながら、それでも解決方法はほかにないかと検索します。
すると、「アニサキス 正露丸」というキーワードが出てきました。
詳しく読むと、正露丸を粉末にして水に溶かした液体にアニサキスを入れると死滅する、と書いてあります。ただ、そのことを効能として謳っていないので確証はありません。
されど、この痛みを何とかしたいので、買いに行くしかありません。
幸いにも少し離れたところに24時間営業している薬局を見つけることができました。
ほんとに効くのかな?と半信半疑な気持ちを抱えつつ、正露丸を買い求めました。

時間は深夜0時を過ぎていました。
大人一回分は3錠服用する、と書いてあります。フタを開けると正露丸の独特なにおいがします。
水で流し込むように飲み、痛みを我慢して横になりました。
午前3時ごろに目が覚めて、まだお腹が痛むのでもう一度、正露丸を服用しました。
翌朝、起きると胃の痛みは消えていました。
昼過ぎに刺身を食べたことも踏まえると、胃の痛みはアニサキスが原因だったと考えられます。
そして、Aさんは身をもって正露丸の効果を体験したことになります。
痛みがある場合、急性なのか慢性的に痛むのか。
または、これまでに体験したことのある痛みなのか、まったく初めての症状なのかによって対応は変わります。
必要に応じて医療機関を受診するか、代替療法で対応していくのかという見極めが肝心な事例です。