レオナルド・ダ・ヴィンチは「足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である」という言葉を残しています。
たしかにヒトが二足歩行できるようになった背景には、足関節の安定性を確保できたという進化の形があります。今回は足の構造について見て行きましょう!
足は大小さまざまな計28個の骨から構成されており、それぞれの骨は互いにすき間なく関節を形成しています。
そして「足のアーチ」と言われるように、28個の骨は絶妙なバランスで配置されて地面からの衝撃を吸収しています。
そして、一つひとつの骨が靭帯や筋肉、腱などでつながっていてサッカーボールを蹴るといった強い衝撃にも耐えられる強靭さを備えています。
しかし「どの足の骨もわずかに動く」と言ったら信じられますか?
普段、私たちは足を動かすと言えば足首を動かすことを想像するでしょう。解剖学的に足は、つま先を挙げる(背屈)、つま先を下げる(底屈)という動きをします。
また、舗装されていない山道など足場の悪いところを歩くときには内側、外側に足首を返すように動いてバランスを取っています。
足の話題でよく言われるのは「土踏まずがある」かどうか、です。
土踏まずがないと言われる状態、いわゆる偏平足の人は歩くと疲れやすいという言い方もします。
しかしもっとも大切なのは「足の甲が柔らかく動く」かどうかです。
ためしに足首をくるくると回してみてください。
足の甲には縦と横のアーチがあります。
この足のアーチは、かかとの骨(踵骨)と足の親指のつけね、小指のつけねの三か所で構成されています。
大切なことは次の3つです
・足のアーチが安定していること
・アーチを構成している中足骨がしなやかに動くこと
・かかと(踵骨)の上に距骨が正しく乗っていること
足首を回してみていかがでしたか?
左右を比べて動きが悪いと感じるほうがある方は、①足のアーチが崩れているか、または②足首の2つの骨(踵骨と距骨)の位置がズレている可能性があります。
①足の甲にある中足骨という骨の可動性があれば、しなやかに動いてくれます。
しかし、革靴やハイヒールを長年履いている方は動きが悪いかもしれません。これは、中足骨の柔軟性が失われて地面からの衝撃をうまく吸収できないことが考えられます。
②また、過去に捻挫をした経験がある方はかかとの骨(踵骨)と距骨の位置を確かめておくとよいでしょう。
本来であれば【踵骨=1階、距骨=2階】という構造になっていて、足のアーチが正しく形成されるようになっています。
しかし、捻挫をすると足首が内側に捻じれます。
この時に距骨と踵骨の位置が崩れてしまうことがあるからです。
捻挫をして足首の痛みは引いたものの、しばらくして腰や膝が痛くなるケースがあります。これは距骨の位置がズレてしまったことによる影響と考えられます。
日ごろから足首を回したり、お風呂のなかで揉んだりして柔らかくしておくことをおすすめします。
そうすることで関節面が適切な位置に保たれて足首をうまく使うことができるようになります。
左右の足首を比べてみて形が違うという人は、骨の位置を整えることで痛みが消えることもあります。