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梅雨時のポテトチップス

私の知人に、太ももの裏を30センチ以上切った手術痕のある女性がいます。
普段は痛くなくても雨の日は傷跡が引っ張られて痛い、と仰います。
一体、これはどのようなことが起きているのでしょうか。今回は梅雨をテーマにこの事象を紐解いてみたいと思います。

富士山でポテチの袋は膨らむ

私が小学校の頃、父親と妹と富士山に登った記憶があります。
そのときにポテトチップスを持って行ったのですが、七合目くらいで気づくと袋がパンパンに膨らんでいたのを覚えています。

「気圧が低いと袋は膨張する」
それがポテチの袋でもゴム風船でも、またはヒトの体でも。

冒頭の女性の場合も、雨が降る=気圧が低くなる。
その結果、傷のある太ももがふくらんだ状態になり、傷跡が引っ張られて痛みを感じるんじゃないだろうか…そのような仮説が浮かんできます。

すわ、医学的根拠は?
そう思いなおして、チャッピーに聞いてみました。
すると返ってきた答えは意外なものでした。それは都市伝説です、と。

AIが示した医学的論拠

以下の文章は、Chat GPTからの答えを引用します。

『完全に間違いとは言えませんが、少し単純化された表現だと思います』と始まりました。
低気圧で体が膨張すると言っても、それはわずかな程度でしかないということ。

具体的には、気圧が1013hPaから990hPaまで下がったとしても、その変化は約2〜3%程度にとどまります。
そのため、ヒトの体において太ももの太さが2~3cm太くなり、傷跡が大きく引っ張られるような現象は起こらないのだそうです。

ヒトの体は、ポテチの袋とは違うのです。

それなら、医学的にどう理解するのでしょうか。
ちょっと難しくなりそうですが、できるだけ簡単にまとめます。

では何が起きているのか。
30cm以上の傷跡ということは、皮膚だけでなく筋膜や場合によっては筋肉まで切開されている可能性があります。事実、この女性は乳がんの手術のため太ももの裏の組織を胸に移植したと話していました。

そして傷が治る過程では、組織が元通りに戻るのではなく傷跡が残ります。
これを瘢痕(はんこん)と言います。

洋服が破れてしまったとき、糸で縫い合わせて破れたところを塞ぎます。
例えると、その縫ったあとが瘢痕とおなじ状態なのです。そして、糸は服の生地と違って伸び縮みしないため、洋服を着ていても動きがぎこちなく感じることがあると思います。

瘢痕は、洋服でいう糸=コラーゲン線維がたくさん集まっているため、伸びない、血流が流れにくいという特徴があります。
そして、低気圧になるとわずかですが体のなかの水分(体液)が増える=むくんでしまう傾向にあります。
まわりの皮膚は少し柔らかくなって膨らみますが、傷跡は伸びません。

そのため、傷跡のまわりの神経に引っ張る力が加わります。
手術をすると必ず表層にある微細な神経が切断されてしまいます。しかし、完全に元通りにはなりません。
そのため、わずかな刺激でも神経が過敏になり、痛みとして感じる…という仕組みなのだそうです。

体が重だるい女性に行ってみたこと

梅雨時期には体がだるい、頭痛がする…という訴えのお客様が増えてきます。
すでに記したように、これは気圧が低くなることによって体のなかで起こっている現象です。
体内の水分代謝がうまくいかない状況であっても、仮にポテチ理論であっても辛い症状を何とかしてほしいことに変わりはありません。

冒頭の女性とは別の方でやはり、梅雨入り宣言をしてからずっと体が重だるい、動きたくないと訴える方がいました。仕組みはどうであれ、気圧が下がることで体が変化するなら外側から圧をかければいいじゃないか…

徒手療法はシンプルが一番です。

例えば指圧をするとき、通常は親指を使うのですが。
視点を変えて手のひらを使ってみます。
例えば、肩の前と後ろ。
具体的には、前=鎖骨の下・大胸筋の付け根と後ろ=肩甲骨を両手で挟むように持ちます。
そして、左右の手のひらを合わせるようにして、じんわりと徐々に圧をかけていきます。

このような動きを一か所につき、30秒~1分位かけてゆっくりと行います。
肩から始まり、二の腕、前腕、手のひらと手の甲と進めます。
続いて背中、骨盤まわり、太ももからふくらはぎ、足の甲、足の裏と前後で挟む、左右から挟んで広い面で圧をかけるように施術をしてみました。

するとどうでしょう!
「体の力が抜けた」
「息がしやすくなった」

という声を聞くことができました。

この間、だいたい20分。
体が膨らんでいようと浮腫んでいようと、一つの考え方として試してみる価値はあると思いました。
もしこれを自分でするのなら。
うずくまるように体を抱えたり、セルフハグをしてみたり…といったアイデアが浮かんできます。布をきつめに巻くのも一つかもしれません。

低気圧の影響から私たちは逃れることはできません。
自然環境に左右されながら、それでも体はなんとかバランスを取ろうとしています。
そのことを理解したうえで、日々できることをやりながら梅雨時期を乗り越えたいですね。

自分自身で体の状態を感じ取ることが、健康のための第一歩。
「このくらい大丈夫かな」と気になっているのは症状が大事に至る前の早期発見のチャンスです。
痛みが出ないうちにメンテナンスにお越しになる方もいらっしゃいます。

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