杉並区にお住まいの60代女性。
以前は右肩が上がらない(いわゆる五十肩)とのことで来院されており、その後しばらく通われて症状が落ち着いた経緯があります。
今年5月に入ってすぐに、再び来院されました。
いわく、今度は「左肩が痛くなった」とのこと。
よく話を伺うと、左手が腰まで回らないようです。
いわゆる結帯動作ができず、ズボンをはくのも不自由な状態でした。
まっすぐ上に挙げるのは大丈夫、とのこと。5月半ばに、再びお越しになった際に確認すると、ひとつの特徴がありました。
左肩の前の筋肉がスジ状に硬くなっています。
専門的には、三角筋の前部線維と触れてわかります。
とくに圧痛を訴えるのは、腕の真ん中あたり。そこは、三角筋が停止する三角筋粗面という場所でした。
痛みのある左腕を上にして、ベッドに横向きに寝ていただきます。
ある程度の範囲で痛みやコリ(硬結)がある場合には、ひとつの筋肉だけが原因とは限りません。
隣り合わせている筋肉は、筋膜という膜組織を介してつながっています。
三角筋であれば、隣り合っている僧帽筋や大胸筋も影響しているという仮説を立てます。また、筋肉や骨格は前後・左右で均衡を保っているため、全体のバランスを考えて施術します。
施術は全身調整が基本です。
これは「部分は全体を表し、全体は部分を表す」という考え方に基づいているからです。そのため、肩が辛いという人にも頭のてっぺんから足の先まで、全身を施術します。
お客様がベッドから起き上がると背すじが左右対称になり、スッキリと伸びていました。
そして、着替えている最中に「先生!ズボンにシャツを入れられる!」と嬉しそうな声が聞こえました。左手が腰の後ろまで回るようになったと、喜んでいらっしゃいます。
「この調子ですと、もう1,2回来れば大丈夫ですね」とお伝えさせていただきました。
※患者様のプライバシーに配慮しています、写真はご本人と関係ありません。